いつもこういった出来事を書いてもいいものか悩むけど、せっかくなので書くことにする。
今週、いま所属している部署の上司が急に事故で亡くなった。僕は直接一緒に仕事をするようになったのはここ数ヶ月だったけど、2週間前に飲みに誘ってもらい、いろいろ仕事の話をしてきた直後だったので、その訃報を聞かされてから、全然実感が湧かなかったというのも事実。僕なんかより長く一緒に仕事をしていた人ほどそうだったのかもしれない。
で、なんでこのことを書いたかというと、この出来事を機に一つ教えられたことがあったから。うちの会社は平均年齢が30歳ちょっとという、ネット業界に限らなければ、平均年齢が非常に若い会社だ。で、その上司は50歳直前。普通に考えるとジェネレーションギャップやネットの感覚に疎くて大変だったんじゃないかという想像がつくけれど、個人的にはそういう所を全く感じさせない方だった。
今になって冷静に考えてみると、ビジネスマンとしての経験値が高く、あんまりテクニカルな知識はなくてもポイントを押さえることができる方だったんだということに気がついた。もちろん、現場のレベルで知識がないというのはどうにもならないんだけど、マネージメントをするっていうのは知識も去ることながら経験値から来る直感って非常に重要なんだなと。
言葉で書くと当たり前じゃないかと思うかもしれないけれど、なんだかんだでもネットって特殊な世界であることは未だにかわらないので、知識ない人はネットじゃ通用しないよと思ってた。でも結局、マネージメントすることって、ネットだろうとどんな業界でもやることはかわらないんだというのを直接教えてくれた気がする。そして、うちの会社にいま最も足りないのはこの経験に基づいたマネージメントできる人なんだなと。あと、僕もそろそろ若手というのを卒業してしまう年齢が近いので、知識の積み上げによる仕事の仕方から、経験に基づく直感みたいなのを身につけていかないと、だめなんだなと改めて感じさせられた。
人間として失格なのかも知れないけれど、不思議と悲しさはない。よく分からないんだけど、僕にとって人が亡くなるっていうのは形而下の問題であって、形而上で失った感じが一切ないからなんだと思う。悲しんでもどうにもならないという頭の狂ったあきらめなのかな。とはいえ、飲みにいった時には実は頼まれた事がある。一緒に実現できなかった事は残念だけど、約束してしまった以上、なんとかしてやり遂げないといけないよね。そこは自分のプライドにかけて。