Ad Agency

去年前半からアドテクがネット広告業界で叫ばれ始めて、そろそろ1年経つ。USのように配信サービスが乱立した状態ではない日本で、本当にアドテクベースが広がるのか?という疑問は未だに残っている。ただ、配信在庫もデータも持たない代理店や事業者がせっせとシステム開発や海外プラットプラットフォームを持ち込んで、徐々に広がりつつある。

これと同時に、アドテクが進むとマーケティング担当者が自ら、広告在庫を買うようになって、代理店が要らなくなるねという論点も続いている。代理店不要論とかを唱える業界の人も多くいる。単に広告枠を多くの媒体と多くのクライアントをつなぐだけの代理店は、アドテクによって広告枠がオープンな市場で取引される事になると、確かにファンクションとして不要なのかもしれない。ただ、実際は企業担当者が直接メディアバイニングを行うほどリソースを使えるという状況は、今の段階では考えづらいと個人的には感じている。代理店に手数料を払ってでも、作業を委託してしまう方が、人を増やしてまでマーケティングにリソースを割くよりも安上がりだろうし、会社全体でマーケティングにそこまで人・金・時間といったリソースを割かないのではないかと。

そうなると、従来のように枠だけを右から左に流している代理店は、オープンな広告流通マーケットが出来て、よりコストが掛からなくなる。その反面、付加価値がない限りは縮小の一途をたどる訳で、単にCPAやCPCが安いという電卓商売をしているネット専業代理店はこれまでのネット広告の拡大の恩恵がなくなると、途端に統廃合が進むんじゃないかなと感じる。作業委託先としての代理店は残り続けるから、なくなることはないはず。

震災の影響で、自粛とともにそもそもの広告費は減ってるだろうから、上記の流れがポジティブではなく、ネガティブ(コストカット)の方向で加速するんじゃないかなと、ちょっと感じている。年内にもそこそこ形が見えてくるだろうし。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.